仙谷 由人 衆議院議員
皆さん、新年明けましておめでとうございます。
そして、わが愛する松本龍さんのために、松本龍さんを愛して、支えていただけるこんなに多くの皆さん方が今日、お忙しい中お集まりを頂いておりますことに、友人の1人といたしまして、心から厚く御礼を申し上げます。本当に皆さん、ありがとうございました。
松本龍さんと私は、ちょうど18年前の選挙で社会党の新人候補として当選をいたしまして、国会で初めてお会いしました。私が44歳、松本龍さん38歳。若き二人が、さぁ、国会議員として、政治家としてこれからどう考えて、勉強していったらいいのか、そんなことで二人の関係が始まったわけでございます。
私は一度落選いたしましたが、その後、政界が大きく動いた中で、絶えず、今は亡くなった、岩田順介さんと3人で連日連夜話し込んだり、あるいはこれやってくれ、あれはどう考えるんだ、という話をしながら、ここまでやってきたわけでございます。
私も龍さんから大きな友情や思いやりや、知識や考え方を頂いて、何とかここまでやってこれたわけでございます。
龍さんは、皆さん方もご承知のように、大変大きな財産を、松本冶一郎先生、英一先生から引き継いでいらっしゃいますので、私から見ますと、どうしても慎重になるといいましょうか、あまり出過ぎないようにしなければならない、という思いが強いんだろうなぁ。私ぐらいはったりをかけてですね、少々でたらめなことでも、龍さんが叫びまくるということがありますと、もっとマスコミも注目をしたり、あるいは外見上大きな存在に見えるのかも分かりません。しかし今は私と違って、民主党の良識、良心、そして最大の知識の宝庫として、民主党の中でも若い議員からも先輩議員からも一目も二目も置かれて、ここに松本龍ありということで、大変な存在となっております。今後とも、ここ福岡の皆さん方が松本龍さんを押し上げていただく。そして、私どもが政権交代を成し遂げることが出来れば、その政権の良識と中核の存在として、もっともっとご活動いただけると思います。
何よりも、龍さんの強みは知識もさることながら、現場をよく知っている、ということでございます。いま、日本経済の中で最大の問題は、なんと言いましても、住宅着工のがた減り問題でございます。行政不況、福田不況、官製不況のもっとも象徴的な事例。建築基準法の改正に伴う、あの机上の空論を作ったために、現場で確認申請が進まない。8月9月は44パーセントの住宅着工がマイナスだった。現在も20パーセント近く、あるいは20パーセントを超える住宅着工が出来ておりません。
アメリカはサブプライムローン、住宅バブル、これが崩壊したために、大変な状況になっておりますけれども、日本はお役人の机上の空論を、これは民主党は反対しましたけども、実情を知らない、現場を知らない、与党の議員の方々が、耐震偽装の問題で自分たちに責任が来るのをおそれて、どんどこどんどこ法案だけ通す。現場とは大変大きなかい離がある。建築確認申請を審査できる能力のある職員を、あるいは専門家を作らないまま、作るところにお金を投じない、予算を投じないまま確認申請だけちびちびしたらどうなりますか。普通ならば、現場知っている人ならば、こんなことをやってはとんでもないことになる。全てがいま日本は、医療の問題でも、障がい者の自立支援の問題でも、現場を知らない、ただ単に財政の整合性、つじつまだけを合わせるような政策がこの6年間行われてきました。障がい者の自立支援の問題では、こんな机上の空論をやられると、現場は涙も出ないような状況になってる。医療の問題、リハビリテーションの問題もそうであります。療養病床という、お年寄りが家で介護を受けられない人のベッドを23万床も減らしてしまう。こんなことじゃあどこで引き取るんだという、こちらの政策がまったくなしで、病院のベッドを、老人、老健施設のベッドだけを減らす。こんな机上の空論を強引にやられたらですね、生身の人間はみんな困るどころの問題ではなくなる。そして、全ては縦割りの、省益あって国益なし、局益あって省益なしというような、各省庁の縦割りで行なわれているやりかたを根本的に変えなきゃダメだ。みんな言ってきたんだけど、変わらない。
今度の道路特定財源の問題、つい2、3年前まで塩川さんという財務大臣が言ったじゃありませんか。離れですき焼き食ってる、母屋はおかゆだ。母屋がおかゆをすすって、離れですき焼きを食ってるようなことが許されるのか。
道路整備特別会計と言います。
10年間で皆さん方のガソリンあるいは軽油で支払ったものが59兆円。10年間固定して、道路整備特別会計という離れで、ステーキとしゃぶしゃぶとすき焼きを食おうとしている。
医療や介護といったどうしても最低限必要なところが、おかゆをすすって、道路整備特別会計だけがすき焼きを毎日食う、こんな社会でいいんでしょうか、というのが、いま我々に問われている問題なのであります。
いま、世界中は、特に先進国はですね、知識経済というところにはいりつつあります。
日本はいろんな面で遅れをとっていると言われている。それは何なのか、これは多分、北欧の国々がやっているような教育、あるいは我々が自らの感性が鋭くあるために鍛えていくしかないというのが、多分、この時代なんだろうと思います。
徳島で2000人の町、上勝町、という町があります。20年前に寒波襲来で、その唯一の産業であるみかんが全滅しました。もうみんな飲んだくれになって、全国のトップニュースになるような事件が起こりまして、地域コミュニティはがたがたになりました。そこに1人の青年が、農協の職員として赴任して、あるとき大阪で、料理屋さんで食事をしていたら、柿の葉っぱや紅葉の葉っぱが料理に添えられている。これかわいいわね、女の子が言う。あっ、そんなものななら、ウチの山に帰れば、山ほどある。そして、そうだ、葉っぱを売ろう、ということで、住民を組織したり、一緒に学んだりしながら、葉っぱを品揃えして、注文を取って、毎日出荷する事業を始めるわけです。彩りといいます。
80歳のおばあちゃんが年末の12月の1ヶ月だけで、100万円の売上げがあったということです。で、皆さん方に申し上げたいのは、この山奥で葉っぱを栽培し、出荷をする、その注文をインターネットでとる、おばあちゃん方がその注文というか、ファックスで、どこでどの注文があるかをみて、携帯電話を使って自らがかける、そして、自分が栽培した紅葉や柿の葉を採りに行って、それを農協に出す、農協から飛行機で東京や大阪や京都の市場に出す。こういうやりかた、これを一次産業というのか二次産業というのか三次産業というのか、私は1+2+3で六次産業じゃないかと、こう言っております。つまり、単なる農業、単なる工業、単なるサービス業という時代ではなくなっている、ということがお分かりいただけるのではないかと思います。
わたしは、地域がそういうことについて、地域の特性を活かしながら、さぁやろうということになれる環境をつくることが政治だと思います。
そのために、この間の地方分権、とりわけ税金と財源を地方に渡すことを渋って、補助金削減ではなくて、補助率の縮小に終始した小泉時代の地方分権改革はでたらめだと思います。だから地方は苦しんでいると思います。
今、いろいろと取りざたされてる道路特定財源。これはガソリン税25円が、もし期限切れで地域に入ってこないとすれば、その分、福岡であれば、多分50パーセント増で、300億円入ってこないとすれば450億円は皆さん方の懐に残るという計算になります。
昨日アメリカは大変な状況になったということで、戻し税、所得税の戻し税を発表しました。日本で言えば800万円以下の年収ぐらいのところには、毎月1万円が戻ってくる。つまり、税の話というのは我々が納めなければ、我々の懐に残って、我々が使い道を考える、こういう話であります。私は今の時代は、ハードからソフトへ、コンクリートから人へ、このことを税の世界でも、使い道をそういう風にしませんと、いつまでもハード、コンクリートにだけ、ここの特定財源だけ維持するようなことをしておれば、先進国としては、あるいは知識経済の中、完全に沈没すると思うのです。いまの道路特定財源の問題は、私が申し上げたような観点でもう一度国民の皆さん方に、ちゃんと提起して、議論をしていただかなければならないと思います。
龍さんは、そういうことに対してはよく分かっていらっしゃいます。つまり、建設業のいいところも悪いところも、日本経済に対する貢献の度合いも、そして時代的な限界も、一番分かっておられる。私に対しては、もっとも貴重なお話をしてくださる方でございます。
これからも皆さん方の松本龍さんに対する御友情と御支援を心からお願いを申し上げまして、私の話とさせていただきます。どうもありがとうございました。 |